コラム

今月のコラム

2014年 1月号

歯科医院経営を考える(436)
~歯科医院経営の現状~

デンタル・マネジメント
コンサルティング


稲岡 勲

 

 中医協が今年6月に実施した医療経済実態調査の結果(平成24年の実績値)が発表された。(別紙参照)それによると個人立歯科医院の1院当たり平均収入は42,318千円(注:校医手当等を含む)であり、内保険収入が35,891千円(介護保険の収入も含み、構成比率は84.8%)、自費収入とその他の収入の合計が6,427千円(同15.2%)である。対前年の収入伸び率は、保険が0.8%、自費その他の収入が2.4%のマイナスとなっている。経費の方は材料薬品費が3,555千円(同8.4%)、外注技工科が3,604千円(同8.5%)である。給与費が12,717千円(同30.1%)となっているが、専従者給与は比率から見て給与費に含まれていると考えられる。差引損益は10,965千円で25.9%である。

 

私共の方も平成24年分の収支アンケートを実施しているが、保険収入比率が83.2%(その他の収入比率は16.8%である。校医手当等は含めず)また材料薬品費の構成比率が7.5%、外注技工料のそれは7.3%、福利厚生費、専従者給与を含む給与賃金は31.6%である。差引所得金額の比率は25.5%で医療経済実態調査とほぼ同じ比率になっている。歯科医院経営の現状を一言でいえば、約85%の保険と15%の自費によって収入を確保し、原価(材料+技工料)に16~17%支払い、専従者、スタッフに30%程度の給与を、その他の経費に27~28%程度支払うと残りの所得は25%(収入の4分の1)程度になるというのが現状の姿である。

 

こうした実態を基に来年には保険点数の改定が実施されるが、来年は消費税も3%引き上げられる。前回引き上げ時の0.58%程度では明らかに損税になっているから、何%引き上げられるか注目したい。

 

(つづく)

 

〔タマヰニュース2014年1月号より転載〕