コラム

今月のコラム

2010年 8月号

歯科医院経営を考える(395)
~飴玉の害~

デンタル・マネジメント
コンサルティング

稲岡 勲

 以前から下顎左側の第1大臼歯、上顎左側の第1大臼歯が、冷たい水を飲むとピリピリ浸みることと、下顎右側の第1大臼歯のクラウンが取れてしまったので知り合いのA先生に診てもらった。まず下顎右側の第1大臼歯のクラウンはビスのようなネジで固定してもらい、左側上下の第1大臼歯は歯肉が退化していて露出しているというのでレジン(?)で補強してもらった。ところが浸みるような痛さは少し軽減されたが、痛みがとれない。また下顎右側のクラウンも硬いものが噛めないのである。この先生には何回か診てもらっているが、最初にパノラマ写真を撮り、その診断結果を基に治療を進めてくれているのである。冷たい水が浸みることを訴えているのだが、歯の根っこが露出しているせいであるという結論を変えないので、別の知り合いのB先生(自宅から1時間30分はかかる)に診てもらうことにした。B先生は私の訴えを聞いていたが、すぐ歯科用のレントゲンで何枚かの写真をとり(9枚法?)、即コンピューターの画面に出して診断してくれた。その結果は驚くべき内容で、左側上下の第1大臼歯の隣接面にかなり大きいう蝕が見つかったのである。しかも上顎の第2大臼歯にもう蝕があるという。即治療にとりかかってもらったが、1回では治療しきれず、こんど3回目の通院予定である。また右側のクラウンも3根にそれぞれネジが打たれているのだが根管の大きさに比べて太く、根管が破切する可能性があるという。そういえばA先生はインプラントに使うものだと言っていた。これで5年はもつでしょうと言ってくれていたのだが…。

 

 今回期せずして2人の先生に診てもらう機会があって思うのだが、A先生も一生懸命診断して治療してくれたと思うのだが、診断のあり方が問題ではないかと思う。水が浸みてピリピリするという原因が何通りかあるとすれば、その一つ一つに対して検討を加える慎重さがあってもよいのではないかと思う。パノラマレントゲンも重要だと思うが、局部の診断には2~3根が大きく映し出される歯科用レントゲンに限るように思う。

 

 以前から歯磨きに注意して、毎日寝る前の15分間は歯を磨くことに専念することにしていたので絶対の自信を持っていたのだが、今回のような事態に自分が一番驚いている。そうして反省することは、筆者の食生活についてである。口臭が気になってついつい飴玉をなめてしまうのである。それも仕事中になめるケースが多い。これではいくら歯を磨いても虫歯になるはずだ。今はB先生の医院に通院しているが、B先生の衛生士さんは、筆者の食生活についてまで知ろうとしないのは何故だろうか?意外に年配の人は筆者のような口臭や口腔の乾燥で飴玉をなめている人が多いと思うのだが。

 

(つづく)

 

〔タマヰニュース2010年 8月号より転載〕